9/9 #おたがいハマトーク vol.90 栗栖良依さん:NPO法人スローレーベル
9月9日(水)の#おたがいハマ トークは、パラ・クリエイティブプロデューサー/ディレクター、NPO法人スローレーベル代表の栗栖良依(くりす・よしえ)さん をお招きします。
栗栖さんは、自らも脚に障害を抱えながら、障害者とアート、そして社会の間のバリアを取り払うべく、アート、デザイン、エンターテイメントの世界を自由な発想で横断し、人や地域を繋げて新しい価値を創造するプロジェクトを展開しています。
障害のある方をはじめとする市民と、アーティストなどの多様な分野のプロフェッショナルとの協働により新たな芸術表現を創造・発信する国際芸術展「ヨコハマ・パラトリエンナーレ」では、総合ディレクターを務めています。
ヨコハマ・パラトリエンナーレは「アートの力で、人々の出会いと協働の機会を創出し、障害の有無を超え、誰もが居場所と役割を実感できる地域社会を実現すること」を目的に3年に1度開催され、今年で3回目。今年は、新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ本年度の方針を全面的に見直し、オンラインとリアルが融合した全く新しいプロジェクトとして、コア会期である11月18日(水)~24日(火)に向けて4つのプログラムが動き始めています。
今回は、栗栖さんに、想像力と創造力を駆使した「共創力」についてのお考えや、障害者など移動に困難を抱えてる人たちにも楽しんでもらえるようにオンラインや映像を通じた新しい体験の提供とライブの合わせ技で展開する「ヨコハマ・パラトリエンナーレ」の目指すところについてお話し頂きます。
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イベントレポート
<トーク前半>
ご自身が障害をおったことをきっかけに、横浜で障害のある方とものづくりやアート活動をしている栗栖さん。さっそく活動について伺いました。
2011年に始まったスローレーベルですが、2014年から横浜市と一緒に「ヨコハマ・パラトリエンナーレ」を、トリエンナーレと同じ年に開催しています。障害者と多様な分野のプロフェッショナルによる現代アートの国際展というもので、コラボレーションによる新しい表現を生み出しています。目的はプロセスの中でバリアを発掘し、クリエイティブでそれを解決していく取り組みを行い、やがて社会に還元することだと言います。
コロナ禍だからこそできること、出てきた課題を乗り越えるため、今年もプログラムをスタートしています。キックオフは8月24日、コアは11月18日~24日となっています。特徴はメインの会場がオンラインということ。「好奇心、解き放つ街へ」をテーマに設定し、今まで出会ってきた方と作り上げるテレビ番組「パラトリテレビ」を公式サイトなどから配信しています。
みんなで糸を紡ぎ、大きな一つのインスタレーションを作り上げる企画も遠隔で開催されます。またさまざまなアーティストの作品を集めた本や特設サイト、子ども達を交えたサミット、福祉と食などを考えるラボなど、盛りだくさんの内容となっています。
パラトリエンナーレについて栗栖さんは、「普段インターネットを使わない人々の孤立というような新しい生活様式が課題となっている。アクセスをし、プログラムに参加することを体験していただきたい。こんな時だからこそ、楽しく共創したい」と話します。
<トーク後半>
活動を始めるきっかけについて伺いました。栗栖さんは「たまたま自分が障害者となり、象の鼻でのプロジェクトに関わったことがきっかけ。つくるだけでなく、売るというところを課題に感じ、モノづくりからコトづくりにシフトをした」と話します。
しかし産業として見たときにも可能性のある取り組み。クリエイティビティの力は最終形だけでなくプロセスに使うこともできます。栗栖さんは「クリエイティビティは無限大。使い方次第。しかしたどり着く先は人。課題やバリアを取り除くのも人。クリエイティブな人をどうつくっていけるのかということが大事なのでは」と言います。
投資が後回しになりやすいアートですが、人間が人間らしく暮らしていける中心にあるものとして、単なる娯楽で済まされるものではないのかもしれません。文化として、みんながバリアを感じずに生きていける社会に向かい、みんなで支え合って取り組んでいくことが期待されます。
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<実施概要>
日時:9月9日(水) 12:15〜12:45
場所:YouTube LIVE + Facebook LIVE
参加方法:ライブ映像はこちらのページから視聴できます。
〇YouTubeライブ
〇Facebookライブ
〇#おたがいハマ トーク(LOCAL GOOD YOKOHAMA特設サイト)
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<登壇者>
栗栖良依(くりす・よしえ)さん
パラ・クリエイティブプロデューサー/ディレクター、NPO法人スローレーベル代表
アート、デザイン、エンターテイメントの世界を自由な発想で横断し、人や地域を繋げて新しい価値を創造するプロジェクトを展開。2008年より、過疎化の進む地域で住民参加型パフォーマンス作品を制作。2010年、骨肉腫を患ったことがきっかけで、右下肢機能全廃。障害福祉の世界と出会う。2011年より、SLOW LABEL ディレクター。2014年よりヨコハマ・パラトリエンナーレ総合ディレクター。2016年にはリオ・パラリンピック旗引き継ぎ式のステージアドバイザーを務める。東京2020総合チーム クリエイティブ・ディレクター。
<参考>
▽NPO法人スローレーベル
SLOW LABELは国内外で活躍するアーティストとともに、コミュニティがかかえる課題を発掘し、さまざまな分野の専門家や市民・企業・行政をまきこんで、マイノリティの視点から社会課題を解決にみちびく「もの」「こと」「人」のしくみをデザインします。生産性を重視しがちな社会に「スロー」な感性をとりもどし、じぶんたちのあり方を問いつづけ、変化をおそれずに、多様性と調和のとれた社会をめざします。
https://www.slowlabel.info/
▽ヨコハマ・パラトリエンナーレ 2020
プレ期間2020年8月24日(月)~
コア期間2020年11月18日(水)~11月24日(火)
会場:オンライン、横浜市役所(新市庁舎)
主催 :横浜ランデヴープロジェクト実行委員会、NPO法人スローレーベル
共催 :横浜市(文化観光局・健康福祉局)
https://www.paratriennale.net/2020/
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◆#おたがいハマ 参加のお誘い
Facebookグループ「#おたがいハマ コミュニティ|横浜」にご参加ください。新型コロナウイルスに関する情報や、皆さんの取り組みなどを共有していきましょう。どなたでも参加できます。コミュニティから様々な活動が始まっています。現在約660人が参加しています。
https://www.facebook.com/groups/829823894180583/
◆【ご協力をお願いいたします!】DONATION/物資の寄付・寄贈のお願い
新型コロナ対策ドネーション「物資の寄付・寄贈」をよろしくお願いします。介護・福祉・医療の分野でもマスク、防護服、消毒薬などが不足しています。未使用のマスク、防護服(ビニール製レインコート等でも可)、消毒薬、プラスチックグローブ(手袋)などがありましたら、ご寄付をよろしくお願いいたします。
◆新型コロナウイルスに向き合う産官学⺠の共創プラットフォーム#おたがいハマ
【参考】横浜市記者発表資料(2020年5月1日)
▽新型コロナウイルスに向き合う産官学⺠の共創プラットフォーム#おたがいハマを横浜市として支援します
https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/koho-kocho/press/seisaku/2020/0501otagaihama.html
主催:横浜コミュニティデザイン・ラボ、YOKOHAMAリビングラボサポートオフィス
協力・支援:横浜市
メディアパートナー:ヨコハマ経済新聞、港北経済新聞、タウンニュース、横浜STORY