【イベント】3/4『横浜寿町 ~地域活動の社会史~』出版記念シンポジウム

年明けから寒暖の差の大きい日が続き、地球環境の変化を肌身で感じるところですが、少しずつ強くなる日差しの暖かさに、春の足音を感じます。

開所からまもなく4年を迎える横浜市ことぶき協働スペースは、今年度も「ことぶき協働フォーラム2023」を企画しています。フォーラムのプレイベントとして、『横浜寿町 ~地域活動の社会史~』を刊行した寿歴史研究会との共催により、出版記念シンポジウムを開催します。

戦争をとめられない世界。居場所を失い困窮する社会。生命を大切にしようとする人間の営みのなかで生きる権利を奪う歴史が繰り返されてきました。私たちは未来に向けて何を目指していくのか。
戦後77 年、経済成長や労働環境は私たちの暮らしを支える一方で、多難な危機を生み、市民の連帯や官民の協働が進みました。寿歴史研究会は2年をかけて横浜・寿町の地域活動を社会史として編んできました。通史を俯瞰する出版の試みをとおして問い続けた、これからの社会づくりや協働の視座を共有します。

なお、「オンライン参加」「会場参加」併用での開催になります。

タイムスケジュール


■13:00(開会)

■13:05 ~14:05

【記念講演】
『日本社会の構造変化と課題  ~寿町の歴史を踏まえ~』

  • 炭谷 茂さん(ソーシャルファームジャパン理事長)

■14:05 ~ 14:15

休憩

■14:15 ~ 14:30

【図書紹介】
『横浜寿町  ~地域活動の社会史~』刊行の背景と意義

  • 加藤 彰彦さん(寿歴史研究会代表)

■14:30 ~ 15:50

【対談】
寿から社会へ伝えたいこと:執筆者および地域活動の当事者対談

  • 浅井 光代さん(NPO法人東京断酒新生会)

    「寿の暮らしで学んだこと、寿を出て思うこと」

  • 高沢 幸男さん(寿支援者交流会)

    「流動する下層とは、古くて新しい問題」

  • 村田 由夫さん(寿地区自治会)

    「『人間交差点・寿』が教えてくれたこと」

  • 渡辺 英俊さん(寿・外国人出稼ぎ労働者と連帯する会 通称“カラバオの会”)

    「いのちの灯をともし続ける地域連帯の歩み」

  • 加藤彰彦さん <聞き手>

■15:50 ~ 16:00

振り返りコメントと総括

■16:00 (閉会)

ゲストプロフィール


■炭谷 茂さん(ソーシャルファームジャパン理事長)

1969 年東京大学法学部卒業後厚生省(当時)に入る。厚生省社会・援護局長等を経て2003 年環境事務次官に就任、2006 年退任。現在ソーシャルファームジャパン理事長、恩賜財団済生会理事長、日本障害者リハビリテーション協会会長、中国残留孤児援護基金理事長、富山国際大学客員教授等を務める。
かねてより障害者、引きこもりの若者、刑余者等の就労支援やまちづくりなど社会貢献活動に従事。主な著書に「私の人権行政論」(解放出版社2007 年)、「社会福祉の原理と課題」(社会保険研究所、2004 年)

■加藤 彰彦さん(寿歴史研究会代表)

1972 年から10 年間、寿生活館に勤務。寿に暮らし日雇労働者と対話する中で「寿夜間学校」「寿識字学校」の開校、「寿住民懇談会」結成に尽力。寿の人々との交流は、筆名・野本三吉著『風の自叙伝』『裸の原始人たち』『寿生活館ノート-職場奪還への遠い道』『野本三吉 個人誌 生活者』に詳しい。
小学校教員、児童相談所ケースワーカー、大学教授などをとおして「子ども研究」「共生のつながり」を求め実践し、沖縄大学では学長を務めた。現在、田谷長生会(老人会)を運営。2018 年に『まちに暮らしの種子を蒔く』刊。

■浅井 光代さん(NPO法人東京断酒新生会)

1964年横浜市生まれ。1970年両親が離婚、父親に連れられ寿町へ。以後、高校卒業までの14年間生活する。高校卒業後日本鋼管(株)へ入社。(現在のJFEスチール)2年後結婚退職。アルコール依存症だった父の連鎖が結婚後に発症。以後26年間子育てしながら壮絶なアルコール依存症を体験する。2009年にはアルコール専門病院に入院。退院後断酒会に繋がり完全断酒12年目に至る。現在は体験をもとにカウンセラーとして活動。

■高沢 幸男さん(寿支援者交流会)

1990年夏(大学1年生)より、寿町に関わるようになる。1992年12月28日に、横浜駅で駅員による野宿生活者排除を目撃。定期的な支援の重要性を痛感。翌1993年1月に「寿や路上と市民社会をつなぐゆるやかなネットワーク」として設立された寿支援者交流会の結成に参加。現在も野宿生活者の訪問活動を継続中。
野宿経験者などの個人史聞き取りを20年以上に渡って行っている。また、寿地区内の様々な団体で構成する寿越冬闘争実行委員会や寿夏祭り実行委員会の事務局長も務めている。

■村田 由夫さん(寿地区自治会)

長年、寿福祉センターの相談員として寿地区のアルコール依存症患者とともに歩む。地域連携の力となる「寿地区自治会」発会に尽力。現在も自治会運営を始め、寿福祉センター保育所事業、NPO法人寿クリーンセンターの福祉作業所運営、アルコール依存症者の回復援助の活動など、寿地区に暮らす人々へのゆるぎない愛着を複数の現場で示し続けている。
著書『良くしようとするのはやめたほうがよい』にて当事者支援の原点を問いかけ、昨年10月には『寿で暮す人々あれこれ』にて、忘れえぬ多彩な出会いと寿地区への思いの記録を発行した。

■渡辺 英俊さん(寿・外国人出稼ぎ労働者と連帯する会 通称“カラバオの会”)

東京神学大学大学院修了。国内で牧師として活動する傍ら、米国やフイリピンの大学に留学。1987 年より日本基督教団なか伝道所牧師。同時期に「カラバオの会(寿・外国人出稼ぎ労働者と連帯する会)」代表、「移住労働者と連携する全国ネットワーク」共同代表、(社)神奈川人権センター副理事長、(NPO)市民の会 寿アルク副理事長を歴任。神学や人権に関わる著書多数。

寿歴史研究会

「ことぶき協働フォーラム2020」で30数年ぶりに再会した地域活動の担い手が意気投合し、2021年4月に始動。横浜市の元職員、寿町の史実や文化を研究する大学教授、作家などが加わり、月1回開催。1945年の横浜大空襲から現在まで77年の寿地区の地域活動の歩みを、当事者自身の体験や地域の資料を基に18人が執筆し、時代区分ごとに編集した。

イベント概要


■日時

2023年 3月 4日(土) 13:00 ~ 16:00

■会場

※定員に達したため「リアル会場」ので参加は〆切ました。

  • オンライン参加

  • リアル会場参加
    自治労横浜会館(横浜市中区寿町4-15-5)
    ◇JR「石川町駅」より徒歩約12分

    ◇横浜市営地下鉄「伊勢佐木長者町駅」より徒歩約12分

    ◇駐車場はございません。公共交通機関をご利用ください。

■定員

  • オンライン参加:定員なし

  • リアル会場参加:60名

    ※定員に達した場合は、オンラインのみとなりますので、予めご了承ください。

■参加費

無料

■お申し込み

下記フォームからお申し込みください。
→ お申し込みフォーム

■お申し込み〆切

2023年 3月 2日(木)

■主催

寿歴史研究会

■共催

横浜市ことぶき協働スペース
<運営団体>
NPO法人 横浜コミュニティデザイン・ラボ

■お問い合わせ

電話:045-323-9019
メール:kotobuki@yokohamalab.jp
※メールを送る際には、“@”を小文字に変えてください。

■チラシ・データ

当シンポジウムのチラシ・データです。
→ シンポジウム_PDFデータ(A4両面カラー)