横浜市は10月16日、地域課題の解決に向けた「地域共生ハッカソン」のキックオフを、情報科学専門学校 8階大教室(横浜市神奈川区鶴屋町2-17)で18時30分〜20時30分に開催しました。市内外の大学・専門学校5校から約50人が参加し、4テーマの混成チームで活動を開始しました。会場では写真・動画の撮影を行い、後半は実践の場としてアイデアソンを実施しました。
<キックオフの概要>
本イベントは、異分野の学生が地域共生につながる課題を設定し、テクノロジーも活用して解決策を検討する取り組みです。今年度は「ヤングケアラー支援」「身体活動の促進」「インクルーシブ」「高齢者の健康維持・推進」の4テーマで進行します。前半は運営説明とアドバイザー紹介、協力企業による基調講演、後半は各チームが課題認識を深めるアイデアソンを行いました。

<参加校と体制>
参加校は横浜薬科大学、桐蔭横浜大学、岩崎学園 横浜保育福祉専門学校、岩崎学園 横浜リハビリテーション専門学校、岩崎学園 情報科学専門学校の5校です。4つの混成チームに対し、各校のアドバイザーが伴走し、情報科学専門学校の武藤幸一先生と同校学生が技術面を支援します。協力団体は富士ソフトと一般社団法人 ifLink オープンコミュニティで、産学官の連携体制で進めます。
<基調講演(ifLink)>
一般社団法人 ifLink オープンコミュニティの千葉恭平さんは、会員が垣根を超えて出会い、すぐ試し、事業化まで進める仕組みを紹介しました。千葉さんは「ギブ×ギブで“1人ではできない”ことに挑む」「楽しむ」「目的を自分ごと化する」の3点を挙げ、個人の目的がチームの目的になった時に良い成果が生まれると述べました。同コミュニティは「誰でもカンタンにIoTを使える世界」を掲げ、試作と検証の循環を重視しています。

<基調講演(富士ソフト)>
富士ソフトの茂木淳一さんは、共創でアイデアを形にするための運営とコミュニケーション設計を解説しました。運営では「共同責任」「短いループでの進捗共有」「合格基準の共有による透明性」「学業・私生活とのベース配分」を提示しました。コミュニケーションでは頻度と手段の合意、10〜12月の月目標から中間発表、2月の最終発表までを見通したロードマップづくりを示し、機能実装を目的化せず課題解決を中心に置く姿勢を強調しました。

<チームの初期方針>
A(ヤングケアラー支援)は、支援情報の周知不足に着目し、当事者や周辺の実態把握から情報導線の設計に取り組みます。B(身体活動の促進)は、座位や立位の工夫、ITやゲームなど“ながら”の工夫で運動を日常に溶け込ませ、短期検証を繰り返します。C(インクルーシブ)は、音声ガイドや振動通知など多様なニーズに応じた散歩アプリ案を提示し、試作と評価を循環させます。D(高齢者の健康維持・増進)は、運動不足や意欲低下などを整理し、地域拠点でのスマホ講座や若者との交流、服薬リマインドなどを検討します。

<今後の予定>
活動期間は2025年10月から2026年2月までの約5カ月です。進捗共有は11月20日(木)を期限とし、中間発表会は12月15日(月)18時00分から横浜市役所(横浜市中区本町6-50-10)で実施し、2月に成果発表会を行います。
https://www.city.yokohama.lg.jp/business/kyoso/kyosofront/hackathon.html
