本町小5年2組短歌展でBankParkと街を結ぶ言葉

横浜市中区本町のBankPark YOKOHAMA(横浜市中区本町6-50-1)で、よこはまネイチャーキッズ×BankPark YOKOHAMA「子どもたちが詠うYOKOHAMA~横浜市立本町小学校5年2組の児童による短歌展」が開かれています。2025年10月に、横浜市認定歴史的建造物「旧第一銀行横浜支店」を活用した文化交流拠点としてグランドオープンした施設の一角に、本町小学校5年2組の児童が授業で詠んだ短歌が並び、横浜の歴史と未来をつなぐ言葉として来場者を迎えています。

<イベント概要>
日時:2025年11月22日〜12月5日 日〜木曜日 11時〜19時、金・土曜日 11時〜22時
会場:BankPark YOKOHAMA(横浜市中区本町6-50-1)
参加費:無料(入場料不要)
展示内容:本町小学校5年2組の児童がそれぞれの日常を詠んだ短歌34首を、越前和紙に書いて展示
協力:CRAFTING JAPAN、横浜市政策経営局共創推進課、BankPark YOKOHAMA

<短歌を通じて暮らしと街を見つめ直す授業>
本町小学校5年2組では、今年度、国語や総合的な学習の時間と連動させながら、「短歌」を学ぶ授業が続けられてきました。家庭での時間や学校での出来事、自分が暮らす横浜の街の様子など、身近なことをあらためて見つめ直し、それを自分の感性に沿った日本語で表現することを目標に、一人ひとりがことばと向き合ってきました。31音という限られたかたちに思いを込める作業を通じて、児童は出来事をただ記録するのではなく、「どの場面を切り取るか」「どんな言葉を選ぶか」を考えながら、自分なりの視点を育てています。

<大学生との交流と野毛山動物園での学び>
授業では、短歌を専門的に学ぶ大学生との交流の機会も設けられました。児童は、短歌の基礎的な決まりや表現の工夫について大学生から話を聞いたり、自分の作品にアドバイスをもらったりしながら、ことばの選び方や表現の工夫について学びました。学校の外に出て活動した場としては、野毛山動物園への見学がありました。園内の動物の様子や、高台から眺める横浜の景色などを観察し、その場で短歌を詠む経験をしました。一方、教室内では「学校」「雨」「夏」「秋」「友情」といったテーマを決め、それぞれの日常や季節の感じ方を短歌に表現する学習も行ってきました。身近な出来事を題材にしながら、言葉にすることで、自分の気持ちや周囲の環境を整理して捉える力を養っています。

<よこはまネイチャーキッズがつなぐ学校と地域>
こうした学びの背景には、横浜市が進める「よこはまネイチャーキッズ」の考え方があります。よこはまネイチャーキッズは、GREEN×EXPO 2027を一つの節目として、小学生や中学生が脱炭素、ネイチャーポジティブ、循環型経済をテーマに活動するプロジェクトチームで、横浜市政策経営局共創推進課が運営しています。プログラムでは、「エネルギーを大切にする」「地産地消を進める」「花や樹木の栽培・活用・循環を進める」「もったいない気持ちで物を長く使う」「生き物と仲良くする」という5つの誓いが示されており、児童はこれらを意識しながら、自分たちの暮らしと環境の関係について考える学習を進めています。

<共創推進課との相談からBankParkでの展示へ>
授業が進む中で、「自分たちの短歌を、もっと多くの人に読んでもらい、感想を聞いてみたい」という声が児童から上がりました。そこで、5年2組の担任である青木丈之伸さんが、よこはまネイチャーキッズを担当する横浜市政策経営局共創推進課に相談し、同課がBankPark YOKOHAMAの運営側と連携したことで、今回の短歌展が実現しました。ネイチャーキッズの取り組みの一環として、学校の中だけで完結していた学びを、まちの文化拠点へと広げる形になっているのが特徴です。

<越前和紙とBankParkの空間が支える子どもたちの表現>
展示されているのは、本町小学校5年2組の児童が詠んだ短歌のうち、34首を選んだ作品です。短歌は、CRAFTING JAPANから寄贈された越前和紙を台紙にして書かれており、BankPark YOKOHAMAの1階コミュニティスポット内に飾られています。越前和紙は、福井県越前市を中心に1500年以上受け継がれてきた手漉き和紙で、日本三大和紙の一つとして知られています。 日本の伝統的な手漉き和紙の技術は、「和紙:日本の手漉和紙技術」としてユネスコ無形文化遺産に登録されており、耐久性や美しさが高く評価されています。児童の短歌は、こうした歴史ある和紙の上に一枚ずつ筆記されており、来場者は紙の質感や文字の表情も含めて作品に向き合うことができます。

<CRAFTING JAPANによる素材提供とメッセージ>
この短歌展にあたり、CRAFTING JAPAN代表の長江一彌さんが、児童の作品の台紙として使う越前和紙を提供するとともに、BankPark YOKOHAMAのコミュニティスポットの空間を展示場所として開いています。長江さんは、児童が越前和紙に短歌を書く経験を通じて、日本の伝統工芸に興味を持つきっかけになったことに手応えを感じていると話しています。また、BankPark YOKOHAMAに足を運んだ来場者が、児童の短歌と和紙、歴史的建物という三つの要素の重なりを通じて、日常や環境について考える時間を持つ場になってほしいとの思いも語っています。

<歴史的建物を活用した文化と共創の中核拠点>
会場となるBankPark YOKOHAMAは、横浜市認定歴史的建造物「旧第一銀行横浜支店」を活用した文化交流拠点です。建物は、1873年に渋沢栄一が創設した第一国立銀行の横浜支店として開設され、その後1889年と1911年に建て替えを経て、関東大震災で被災したのち、1929年に現在の原形となる姿へ復興しました。 2025年10月にBankPark YOKOHAMAとしてグランドオープンし、「街の新たなにぎわい」と「ライフスタイルを豊かにする提案」を掲げた「出会い、学び、育つ」文化と共創の中核拠点として運営されています。1階の「CRAFT.」は、世界各地の工芸品と飲食、花などを通じて文化を発信するゾーンで、日〜木曜日は11時〜19時、金・土曜日は11時〜22時が営業時間です。この時間帯に合わせて、短歌展の作品も観覧できます。

<本町小学校区に息づく港町・商人の歴史とつながる展示>
本町小学校の学区には、BankPark YOKOHAMAのような旧銀行建築のほか、旧横浜生糸検査所や赤レンガ倉庫、大さん橋、象の鼻など、港町としての歴史を伝える施設が点在しています。 横浜は多くの都市のように城下町としてではなく、開港期に「横浜商人」と呼ばれた市民が港と生糸貿易を通じて育ててきた街であり、銀行建築や港湾施設はその歩みを今に伝えています。 今回、児童の短歌が旧銀行建築を活用したBankPark YOKOHAMAで展示されることは、こうした地域の歴史と、子どもたちが学ぶ現代の授業が重なり合う場になっています。

<子どもたちの言葉から横浜の未来を考える>
展示されている短歌には、一首ごとに児童の生活の場面や、自然、家族、友人、街への思いが込められています。越前和紙の質感と、歴史ある建物の空間の中で短歌を読むことで、言葉の一つ一つをじっくり味わうことができます。会場には感想を記入するアンケートも用意されており、来場者が作品から感じたことを書き残すことで、児童は自分たちの言葉が他者に届く経験を重ねることができます。14日間の会期を通じて、子どもたちが詠んだ短歌を手がかりに、横浜の過去と現在、そして未来の姿について考える場となっています。

<お問い合わせ>
よこはまネイチャーキッズおよび本展に関する問い合わせ先:横浜市政策経営局共創推進課(横浜市中区本町6-50-10) 電話:045-671-4391

https://bankparkyokohama.jp