「GREEN×EXPO 2027 子ども参画プログラム」スタートミーティング開催

横浜市役所(横浜市中区本町6)で5月29日、横浜市立の小中高等学校の児童生徒と関係者約40人が参加し、「GREEN×EXPO 2027 子ども参画プログラム 市立学校の児童生徒と大人たちによるスタートミーティング」が開催されました。

同市では、SDGs達成の担い手育成を目的とするESD(持続可能な開発のための教育)を平成28年度から推進しており、令和5年度からは市立小中学校全校に取り組みを拡大しております。今回のミーティングは、その流れを受けて2027年に開催予定の国際園芸博覧会「GREEN×EXPO 2027」をテーマに、子どもたちの意見やアイデアを事前の段階から取り入れる新たな試みとして実施されました。

冒頭では山中竹春横浜市長が挨拶を行い、山中市長は、GREEN×EXPO 2027を「環境問題という地球規模の課題を、身近な生活と結びつけて考える場」と位置づけ、児童生徒が企画段階から関わる意義を強調しました。また、「子どもたちとつくる博覧会」という理念を掲げ、年齢や立場に関係なく対等に話し合う姿勢を呼びかけ、参加者一人ひとりのアイデアを歓迎すると語りました。

続いて各参加団体からは自校・自社の紹介とGREEN×EXPO 2027への取り組み状況について説明がありました。東京都市大学環境学部の佐藤真久さんと東洋大学社会学部の米原あきさんも参加し、教育の視点からプログラムを支えました。

会の中盤では、児童生徒を中心としたグループ協議が行われ、事前に行ったアンケートをもとに博覧会のテーマである「幸せを創る明日の風景」について意見交換を行いました。後半では、それぞれの立場からこのテーマに対してどのような貢献ができるかについて話し合いが進められ、最後には佐藤さんによる講評で締めくくられました。

佐藤さんは、子どもたちの率直な発言や創造的な視点が大人にも影響を与え、「大人も変わらなければならない」との気づきを得たと語りました。そのうえで「人と人」「人と自然」「当たり前の風景を大切にする心」など、多くの価値観が共有されたことを評価し、さらに問題解決にとどまらず新たな価値を共に創出する「価値共創」の重要性に触れ、世代や立場を超えた協働のあり方が今後の社会において鍵になると強調ました。最後に、2027年およびその先の未来を見据えて、「変えること」と「変わること」の連動性が新しい風景を生むと締めくくりました。

会終了後、横浜市の職員や企業の参加者によるアフターミーティングでは、横浜市が10年以上にわたって推進してきたESD(持続可能な開発のための教育)の取り組みが、今回のプログラムの高い完成度につながっているとの振り返りがなされました。参加者からは「学校の枠を越え、地域や企業と協働していく段階に入っている」との声が上がり、2027年以降の「ポストSDGs時代」を見据えた継続的な取り組みの必要性が共有されました。

また、児童生徒の発想力や表現力の高さに驚きと感銘を受けたという感想も多く、単なる一過性のイベントに終わらせず、具体的なプロジェクトへと展開していくことの重要性が確認されました。今後は、拠点校の活動をモデルにしながら、企業との共同事業や技術活用を通じて、教育現場と社会の接点をさらに広げていく方針が示されました。

今回の取り組みは、子どもたちが地域社会や国際的な課題に自発的に関わる姿勢を育むとともに、横浜市が目指す「子どもたちとつくる国際博覧会」という独自の理念の具現化につながるものとして位置づけらます。行政、教育機関、企業が連携することで、単なる学びの場にとどまらない、多様な関係者との協働が期待されます。

▽横浜市の記者発表資料はこちら
https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/koho-kocho/press/kyoiku/2025/0523GREENEXPO.html